「TOEICスコア700点レベルってどのくらいの難易度?」
「スコア700点の壁を越えるための勉強法が知りたい」
2020年1月の受験者データによると、平均スコアは581点、700点に到達した受験者は全体の30%以下でした。
このデータから、TOEICで700点を目指すには上位3割に入る必要があるため、難易度が高いと言えます。
TOEIC700点以上を持っていると、履歴書に書いた際に十分なアピールポイントになり、実際に外資系企業の足切り水準とされるケースも多いです。
この記事ではこれからTOEICスコア700点を目指す人に向けて、700点の難易度を正確に解説した後、700点を突破するための試験対策法を教えます。
私自身、過去にTOEIC試験を4回受験し、420点から900点まで到達した経験があります。
正しい試験対策法を元にコツコツ勉強することがTOEICスコアアップの最短ルートです。この記事の内容をよく理解して、参考にしてください。
一般的に「TOEICテスト」は「TOEIC Listening & Reading Test」を指しており、この記事でも、TOEIC=TOEIC Listening & Reading Test、として解説していきます。
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1. TOEIC700点レベルは英検2級〜準1級レベル
TOEICスコア700点は、一般的に英検2級から準1級レベルと同等と言われています。
このスコアを持っていると、日常英会話が全く問題ないレベルと判断され、就職・転職活動で十分アピールできるポイントになります。
2020年1月に開催された全受験者のスコアデータを見ると、約7割が695点以下、残り約3割が700点を突破しており、難易度の高さがわかります。
2020年1月の受験者数111,093人のスコアデータ(参考:TOEIC公式サイト)
獲得スコア | 獲得者の割合 |
---|---|
695点以下 | 72.1% |
695点〜795点 | 14.6% |
795点〜895点 | 9.8% |
895点以上 | 3.5% |
2. TOEIC700点到達に必要な勉強時間
オックスフォード大学出版局がTOEIC試験指導を行う講師向けに作成した資料によると、現状スコア650点の人が750点にスコアアップするためには、225時間(=毎日3時間の勉強を2ヶ月半)の勉強が必要というデータがあります。
当然現状のスコアが650点以下の人はより多くの時間が必要となります。
個人差はありますがこれを一つの指標として、現在の自分のスコアと必要な勉強時間を確認し、毎日の学習スケジュールを組み立てるようにしてください。
参考:A Teacher’s Guide to TOEIC Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success
目標のスコア | |||||
現在のスコア | 450点 | 550点 | 650点 | 750点 | 850点 |
350点 | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 950時間 | 1225時間 |
450点 | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 975時間 | |
550点 | 225時間 | 450時間 | 725時間 | ||
650点 | 225時間 | 500時間 |
3. TOEIC700点に到達するための試験対策
ここからは、最短でスコアアップするために必要な試験対策法をリスニング対策、リーディング対策の2つに分け、さらに出題形式別に細かく解説していきます。
3-1. リスニング対策
リスニング問題は合計100問、495満点中400-420点獲得を目指します。
パート | 問題数 | 問題 | 解答方法 |
---|---|---|---|
Part1 | 6問 | 写真描写問題 | 写真1枚に対し4つの英文が流れ、写真を最も適切に表す選択肢を選びます。 |
Part2 | 25問 | 応答問題 | 1つの質問または文章と、その質問または文章に対する3つの英文が流れ、最も適切な選択肢を選びます。 |
Part3 | 39問 | 会話問題 | 2人または3人の会話が流れ、問題用紙に印刷された設問と設問に対する解答から最も適当なものを選びます。 |
Part4 | 30問 | 説明文問題 | ミニトークを聞いて、問題用紙に印刷された設問と設問に対する解答から最も適当なものを選びます。 |
Part1攻略の鍵:ひっかけ問題に気をつける
Part1の写真描写問題では、ひっかけ問題に注意して解答する必要があります。
例えば「light」と「right」など日本人が違いを聞き分けることが苦手な問題が出題されるケースがあります。
単語の学習をする際は必ず音声機能付きの単語帳、もしくは外出先でも手軽に勉強できるアプリを用いて学習するようにしてください。
(おすすめ単語アプリは音声再生機能付き最強おすすめ単語アプリ5選を参考にしてください)
Part2攻略の鍵:平叙文問題に慣れておく
Part2の応答問題では「平叙文問題」を攻略できるかが鍵になります。
平叙文とは疑問文ではない、ただ事実を述べる、また感情を述べたような文章です。(例:私は学校に行きました、昨日はジムで運動をして疲れた)
問題が疑問文の場合、最初の「What」「How」を聞き逃さなければ正解を導くことは容易ですが、平叙文はきちんと文章を理解しなければ、解答することができません。
これを攻略するには、演習問題をできるだけ多く解き、平叙文のパターンに慣れておく事が重要です。
おすすめの勉強法は、問題文が流れたあと一度音声を止め、解答の選択肢を聞く前に自分で返答を考えます。
これをすることにより、解答の傾向を分析しながら問題文を聞く事ができるようになり、解答の選択肢全てを集中して聞かずとも、正解を導き出す事ができるようになります。YouTube「TOEIC LISTENING」の演習問題音声では無料で演習問題が提供されているのでぜひ活用してみてください。
Part3&4攻略の鍵:設問を先に読んでシチュエーションやトピックを先にイメージしておく
Part3と4は、会話もしくは説明文が流れてくる前に設問に目を通し、会話ならシチュエーション、説明文ならトピックをある程度理解しておくことがスコアアップの鍵です。
各問題と問題の間に、少し間があります。その間に次の問題の設問部分だけざっと目を通します。特に以下のことに意識して設問を読むようにしてください。
- 誰がいるか(名前・関係性・何人)
- 場所はどこか(オフィス・家の中・ショッピングモール等)
- 話しているトピックは何か
- 何に解答しなければいけないのか
3-2. リーディング対策
リーディング問題は合計100問、495満点中305点以上の獲得を目指します。
パート | 問題数 | 問題 | 解答方法 |
---|---|---|---|
Part5 | 30問 | 短文穴埋め問題 | 短文を読んで、4つの選択肢から最もふさわしい選択肢を一つを選びます。(文法問題) |
Part6 | 16問 | 長文穴埋め問題 | 4つの選択肢(単語、句、文)からふさわしい選択肢を一つを選びます。 |
Part7 | 54問 | 長文読解問題 | 印刷された文書を読み、設問の解答から最も適当なものを選びます。 |
Part5攻略の鍵:意味にこだわらず文法的に適切なものをスピーディに解答する
リーディング問題は時間との勝負です。とくにPart5は最もスピーディに、そして確実に正解する必要があります。
一問あたりの解答時間目安は20秒です。
短時間で解答するためには単語の意味がわからなくても立ち止らず、意識を文法に集中させることが鍵となります。
例えば以下のような問題が出題されたとします。
例)I was ____ that he is very different than what he was five years ago.
(A) sadly (B) sadness (C) sad (D) sadden
この例文の答えは(C) のsadです。Be動詞のwasの直後に形容詞であるsadを選択します。
この場合、全文全ての単語を知らなくても答えを導き出すことができます。
文法さえわかれば解答できる問題は和訳をせずに解答します。
選択肢が全て動詞のような場合は意味を理解する必要があるため、和訳をするようにしてください。
Part6攻略の鍵:読む、と理解する、を同時にできるように音読を繰り返す
Part6はリーディング問題の中で最も読む量に対して設問数が少なく、言わば非常にコスパの悪いPartになります。
だからこそ、時間をかけ過ぎないように対策を打つ必要があります。
コツは読みながら全体の約8割の意味を理解できるように練習することです。
そのためには読む行為と和訳を同時に行う必要があり、その練習に最も適しているのが音読です。
演習問題を解く際に、声に出して読むようにして下さい。
そして解答を確認して全文の意味を理解した後にもう一度音読する。
それを繰り返すことで読む行為と意味を理解する行為が同時に処理される感覚が身についてきます。
このPartに関しては地道な努力しかありません。
解答にどうしても時間がかかる場合は、潔く諦めてPart7の時間を確保することも頭に入れて取り組むようにしてください。
Part7攻略の鍵:長文の冒頭で確実にストーリーを掴む
長文問題は焦って走り読みしてしまうケースが非常に多いのですが、冒頭は確実に理解しながら読んで下さい。
なぜなら冒頭でその後の流れがだいたい理解できるケースが多く、重要なキーワードが入っている可能性が非常に高いからです。
冒頭さえ掴めてしまえれば、ストーリーがスムーズに頭に入り、文章を読むスピードが格段に上がります。
Part7は時間に追われて切羽詰まってしまうことが多く、早く読むことばかりに意識が向いてしまいます。
冒頭に意識しつつ、演習問題を繰り返し解き、時間配分に気をつけながら学習してください。
もう一つ大切なことは、長文問題のスコアほど、差が出るのは実は単語力です。
これはTOEIC全体に言えることですが、最後は単語力がスコアアップできるかどうかにかかっていますので単語学習も決して怠らないようにしてください。
4. TOEIC700点を突破するためのおすすめ教材
4-1. 公式問題集を繰り返し解く
これは目標が700点であっても800点であっても、確実におすすめできる勉強法です。公式サイトの公式教材・問題集ページで購入することができます。
前章で細かく解説した各セクションの対策方法を意識しながら、演習問題を繰り返し解いてください。
そうすることでだんだん出題傾向がわかり、解答スピードが上がります。
ぜひ根気強く挑戦してください。
4-2. 単語アプリで毎日コツコツ単語力を増やす
英単語を毎日コツコツ勉強するためには、クイズ形式の単語アプリを利用することをおすすめします。
詳しくは「最短で結果を出す、最強英単語アプリの選び方とおすすめ5選【2020年最新版】」を参考に、TOEICの受験日を決めたら即アプリをダウンロードしてください。
4-3. 無料のYouTube動画の演習問題を活用する
YouTubeでは、無料で演習問題が提供されています。
勉強量を増やして努力するほど教材代が嵩むため、YouTubeの無料で良質なコンテンツを上手に活用することをおすすめします。
無料で演習問題が解けるおすすめチャンネルは以下です。
6. まとめ
今回の記事の要点をまとめます。
- TOEICは英検2級〜準1級レベル、2020年1月受験者全体の3割程度で難易度は高い
- スコア700点到達のために必要な勉強時間は225時間(現在650点→750点を目指す場合)。現状のスコアが低ければより学習時間の確保が必要
- TOEIC700点到達のための試験対策法【リスニング】
- Part1: ひっかけ問題に気をつける
- Part2:平叙文問題に慣れておく
- Part3&4:設問を先に読んでシチュエーションやトピックを先にイメージしておく
- TOEIC700点到達のための試験対策法【リーディング】
- Part5:意味にこだわらず文法的に適切なものをスピーディーに選択していく
- Part6:読む、と理解する、を同時にできるように音読を繰り返す
- Part7:長文の冒頭で確実にストーリーを掴む
- TOEIC700点を突破するためのおすすめ教材は、公式問題集、単語アプリの活用、無料YouTube動画の演習問題を活用することがおすすめ。
必要な学習時間と正しい試験対策法さえ意識すれば、700点の壁は確実に超えられます。ぜひこの記事の情報を参考に学習に取り組んでください。